「ハスココア」への想い

「ハスココア」ってご存知ですか？
愛西市や津島市にお住まいの方や田島蓮園の蓮根を知っていただいている皆さまは食べたことありますよね。

……え、知りませんか？

そうなのです。ハスココアは隠れた名物。愛知県愛西市の道の駅「立田ふれあいの里」や津島神社でしか販売されていないため、意外と知られていません。

ハスココアとは、蓮根をじっくり蜜煮にし、ココアをたっぷりまぶした「生チョコ風」のお菓子です。蓮根の甘さに合うビターなココアとやわらかい食感がくせになる、どこかなつかしく体にやさしい、子どもも安心して食べられるお菓子です。

このハスココアは、田島蓮園からすぐ近くにある、同じ愛西市（旧立田村）の浜田砂糖漬店の浜田さんという85歳のおじいさんが手作りしています。なんと大正時代から蓮根砂糖漬を作り続けている老舗です。ハスココアは地域で愛されて30年以上のロングセラー商品。昨年より、特別に田島蓮園の蓮根を使って製造いただいていています。

～ハスココア×田島蓮園～コラボのきっかけ

野菜にはどうしても「規格外品」が出てしまいます。蓮根だと、収穫の時にキズが付いてしまったものや、小さすぎるサイズの芽蓮根が規格外品になります。こういった規格外品もなんとか美味しく食べていただける商品にできないものか？と考えていたときに、一番に思いついたのはハスココアでした。

実は、ハスココアは子どもの頃から大好きでずっと食べてきたお気に入りの味。母校の立田南部小学校では、職場体験として工房を見学させていただいたこともありました。浜田さんに聞いたところ、受け入れた小学生からの感謝のお手紙をいまも大切に保存されているとのこと。まさかこんな形で再び工房を訪れることになるとは……。感慨深いものです。

慣れ親しんだハスココアですが、お土産でお渡ししたり、地域外の友達に配ったりすると、その珍しさと意外な（？）美味しさから、喜んで頂けることが多かったです。たぶん、蓮根にココアをまぶしたお菓子なんて、全国見渡しても見つからないのではないか？と思います。それくらい珍しいと思います。

地域に愛され30年！ハスココアの歴史

そんなわけで、蓮根栽培を始めて3年ほど経った頃に、製造している浜田砂糖漬店に久しぶりにお邪魔させていただき、浜田さん（現在85歳）のお話をお伺いしました。

浜田さんによると、浜田砂糖漬店の創業は大正時代。長い間、地域の特産品である蓮根や生姜を使った砂糖漬を作ってきました。4代目になった浜田さんは、時代が変化していくなかで、もっと子どもたちにも親しみやすいお菓子を作りたいと考え、試作を重ねたそう。そして平成元年からハスココアの製造・販売をスタートして今に至るということでした！

なんと、ハスココアは平成を生き抜いて令和時代まで続いている大ベストセラー商品だったのです。老舗砂糖漬店としての伝統も守りつつ、時代に合わせて新しい提案をされてきた姿勢に非常に共感しました。

ハスココアを通じて蓮の魅力を伝えたい

浜田さんは現在85歳ですが、そうは見えないくらいとっても元気でチャーミングなおじいさんです。しかし、後継者はいらっしゃらないため、体が元気なうちはなんとかハスココアを作り続けていきたいということでした。残念ながら、30年以上地域の人々に愛されてきたハスココアも今後いつまで続けられるかわからないという状況でした……。

なんとかしてこれからもハスココアを繋いでいけないか？という想いから、まずは田島蓮園とコラボしたハスココアを特別に製造いただき、より多くの人に知っていただこう！と企画が始まりました。