蓮に「種」があること、ご存じでしたか?花が咲いたあと、蓮の実と呼ばれる種がつきますが、それを放っておくと上記の写真のように、発芽します!この時期は、田んぼにたくさん、去年以前の蓮の実から芽が出たものが浮いています。
蓮根農家は種を植えるの?という質問があると思いますが、基本的には、種から蓮を育てることはありません。蓮の地下茎である「蓮根」を芽つきのまま収穫し、田んぼに植えることで増やしていきます。(参考:2020.05.2【蓮の花】を植えました!)
通常、種から蓮を発芽させようと思うと、秋頃に黒くて硬くなった蓮の実を採集し、春になったら紙やすりで削って、浸水させ、発芽させます。(なかなか面倒くさいですよね!)それでもなかなか、うまく発芽しないことも多いです。蓮の実は非常に硬いため、発芽させるには一苦労です。しかも、この小さな種から発芽した蓮から大きな蓮根がとれるようになるまで、7年もかかります。硬いうえに、蓮根を増やして増殖するまでに非常に時間がかかるというわけです。
そうなると、蓮の種はいったい何の意味があるの?と思われるかもしれません。しかし!実はこの種はものすごーい生命力を持っています。「大賀蓮」という蓮の品種がありますが、これは縄文時代の地層から発掘された蓮の実から育った蓮です。なんと、2000年前の種も発芽するくらい、蓮の種はものすごい生命力を持っているのです。簡単には発芽しにくいからこそ、逆に長い期間、遺伝子を温存できるという戦略なのかもしれません。途方もないスケールで、子孫繁栄を考えているのです…。
また、蓮の実が黒く硬くなる前、緑色で柔らかい状態(8月ごろ)の内に収穫し、皮をむいて食べることもできます。栗のような、ナッツのような不思議な食感がして、ほんのり甘くてとても美味しいですよ。

この青い蓮の実ですが、炊き込みご飯のようにしたり、甘く煮て餡にしてお饅頭の具にしたり(写真下)、いろいろと美味しく調理することもできます。薬効もあり、夏のむくみ防止にも重宝するんだとか。
また8月になりましたら、田島蓮園のオンラインショップでも販売しようかと思います♪皆さま、ぜひ蓮の生命力を味わってみてくださいね。
